フランス語の文章を読んだことがない人も、日本語の仮名読みだったら誰でもフランス語の原文が読めるはずです。
フランス語はルールがわかると、意味はわからなくても読めるようになります(笑)。だからぶつぶつ唱えているいるだけでも楽しくなってくると思います。
この記事では、日本語の仮名文字を駆使し、フランス語の発音の必要最低限のポイントを解説しながら、フランス語の原文を読み進めていきます。
日本語読みでフランス語の原文『星の王子さま』を読む体験から
フランス文学の定番といえば、『星の王子さま』となりますが、ご存知の方も多いと思います。
宇宙を旅する王子さまと、地球のキツネとの出会いから、人間の本質について何か大切なことを伝えてくれています。子供から大人まできっと哲学を感じてしまう秀逸な作品ですよ。
おまえがバラのために費やした時間が、おまえのバラをとても大切なものにしたのさ
C’est le temps que tu as perdu pour ta rose qui fait ta rose si importante.
Le Petit Prince 星の王子さま
出会いや別れを経験した大人の方が、この本の内容がより心に染みることがあるかもしれません。まだ読んでいない方や、ストーリーを忘れてしまった方は、ぜひ本を手にとって読んでみてください。
日本語訳と原文がセットになった翻訳本があれば便利ですが、一冊手元にあっても損はないと思うので以下におすすめをご紹介しておきます。当方も手にした本ですが今でもバイブルの一つです。
(*翻訳本は複数ありますが、いずれも遜色はないと思います)
日本語訳でも泣ける人もいるかもしれません。が、これをフランス語で読めたら、ちょっと格好いいと思いませんか?折りしも巣ごもり期間中などは、ただ念仏のように唱えるだけでもストレス解消におすすめですよ。
原文を読み進める時に意識する2つのポイント
さて、仮名読みでフランス語の発音が表記されている本や、日本語読みで読めるサイトがあれば良いのですが。なかなか無のいで、星の王子さまの魅力が詰まった章から一節を抜粋して、仮名読みを表記しました。
読み進める前に、以下2つのポイントをご確認ください。
初めての方は、これら発音のポイント2つを念頭において、意味がわからなくても念仏のように繰り返し発声してみてくださいね。
*フランス語の美しい「る」の発音の秘訣については以下の記事をご覧いただき、[ R ]の発音にチャレンジしてみてください。
『星の王子さま』21章より(地球のキツネに出会う)
以下は、星の王子さまが、地球で初めて友達になったキツネと出会うシーンです。少し長いですが、音を楽しみながら仮名読みで読み進めてみてください。
le renard se tut et regarda longtemps le petit prince:
ルるナーる ステュ/ エ るギャるダ ロンタン ルプチプらーンス/
s’il te plaît.. ..apprivoise-moi! dit-‿il.
スィルトゥ プレ/ アプりヴワーズムワ/ ディティル/
je veux bien, répondit le petit prince, mais je n’ai pas beaucoup de temps.
ジュヴビヤン/ れポンディ ルプチプらーンス/ メ ジュネパ ボクゥドゥタン/
j’ai des ‿amis à découvrir et beaucoup de choses à connaître.
ジェデザミ ア デクゥヴりーる/ エ ボクゥドゥショーズ ア コネートる/
on ne connait que les choses que l’on ‿apprivoise, dit le renard. les ‿hommes n’ont
オンヌコネ ク レショーズ ク ロンナプりヴワーズ/ ディ ルるナーる/ レゾム ノン
plus le temps de rien connaître. ils ‿achètent des chose toutes faites chez les
プリュ ルタン ドゥりヤンコネートる/ イルザシェット デショーズ トゥットゥ フェットゥ シェレ
marchands. mais comme il n’existe point de marchands d’amis, les ‿hommes n’ont
マるシャン/ メ コム イルネグジストゥ プワンドゥ マるシャン ダミ/ レゾム ノン
plus d’amis. si tu veux un ‿ami, apprivoise-moi
プリュ ダミ/ スィテュヴ アンナミ/ アプりヴワーズムワ/
que faut-il faire? dit le petit prince.
クフォティルフェーる/ ディ ルプチプらーンス/
il faut être très patient, répondit le renard. tu t’assoiras d’abord
イルフォエートる トれパスィアン/ れポンディ ルるナーる/ テュタスワら ダボーる
un peu loin de moi, comme ça, dans l’herbe.
アンプ ルワン ドゥ ムワ/ コムサ/ ダンレるブ/
je te regarderai du coin de l’œil et tu ne diras rien. le langage est
ジュトゥ るギャるドゥれ デュ クワンドゥ ルユ/ エ テュヌディら りヤン/ ル ランガージュ エ
source de malentendus. mais chaque jour tu pourras t’asseoir peu plus près..
スゥるスドゥ マルアンタンデュ/ メ/ シャックジュゥーる/ テュプゥら タスワーる ププリュプれ/
出典:星の王子さま 21章より
*ルビ◯は、[ ɑ̃ ]後方のアンの鼻母音です。
*ルビ●は、[ u ]重いウー の母音です。
読み慣れてきた方は日本語では意識しない2つの母音、[ ɑ̃ ]後方のアンと、[ u ]重いウーを意識して読んでみてください。
*フランス語の母音の位置の詳細については、以下の記事も併せてご覧ください。
フランス語を日本語で読んで気づくこと
フランス語の表記と仮名を見合わせて見ると、何か気づいたことはありませんか?
など、いろいろと感じることがあると思いますが。
特に 青色マーカーで示した無音の文字で終わる単語の割合は約30%というデータもあるようですが、例文中には3割以上ありそうです。
それだけフランス語は単語末尾を発音しないと言うことがお分かりいただけると思います。
また、フランス語は発音しない子音が沢山あるけれど、母音を伴うと必ず発音していることも知ってしまうと、もやもやがスーッと解消されるのではないでしょうか。
これにリズムやイントネーションが加われば、フランス語っぽくなっていきます。ここまで読み進めていただいた方には、既にフランス語を発声する面白さが芽生えているはずです。
*フランス語の子音の考察については、併せて以下も記事もご覧ください。
*連音(リエゾン)についての詳細は、以下の記事も併せてご覧ください。