フランス語のアルファベット発音の盲点とは(26文字の音素分解)

フランス語の発音
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フランス語も日本語も、言語の始まりは母音の「ア」の音から始まります。あくびをした時の「ハア〜」と伸ばした「ア」の音に起源があるとかないとか。

しかしながら、フランス語の「ア」と日本語の「ア」の音はどこか異なります。この微妙な違いは、多くのフランス語学習者に気づかれないまま、フランス語の盲点としてひっそりと残っているかもしれません。

この記事ではフランス語のアルファベット26文字の特徴について、それぞれの音素を分解しながらご紹介したいと思います。

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すべての始まり、母音 A「ア」の音の秘密

フランス語の「ア」は、日本語の「ア」に比べて、どこか丸みを帯びているように聞こえるかもしれません。始まりの母音「ア」の発音がフランス語と日本語で異なるとは俄かに信じ難いことですが。

一体何が違うというのでしょうか?

実はこの違いは舌の位置にあります。

フランス語の始まりの母音 A「ア」は、舌を後ろに引いて発音します。こうすると口の中が丸くなり「オ」の音に接近しますが、唇は「オ」のように丸くせずに開いたまま、[ ɑ ]後方のアの発音となります。

舌の位置が前方にある[ a ]日本語のアとは異なります。

両言語ともに第一母音は「ア」から始まるものの、言語の始原的な「ア」の発音が異なっている事実は、あまり取り上げられない盲点となっていることと思います。

日本人よりもフランス人の方が口を大きく開けてあくびをしたのでしょうか?あるいは大きな肉塊を頬張ってきたからでしょうか?真偽については分かりませんが。

いずれにしても、フランス語の第一母音である[ ɑ ]後方のアは、日本語のそれと同様に言語の始まりとして重要な音声なのかもしれません。

例えば、このサイトにも使用しているフランス語の Âme(アーム)魂 の頭文字の「ア」の発音は、[ ɑ ]後方のアの音です。また密教では「ア」の音を発して瞑想する阿字観なるものがあるそうです。

両言語にはどこか「ア」の音声に共通した親和性を感じますし、第一母音「ア」は何か不思議な魅力を秘めているように映ります。

(*母音の位置の確認については、以下の記事をご覧ください)

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フランス語のアルファベ(字母)の発音

ちなみに、フランス語では、アルファベットのことを

Alphabet(アルファベ)

と発音します。語末[ t ]の子音を発音しないのです、笑。

さて以下は、フランス語のアルファベ(字母)の発音と、アルファベに含まれている母音をまとめたリストです。

赤文字はフランス語の固有の母音です。緑文字は日本語の母音で発音できるものです。お時間のある方は、一つずつ確認してみてください。

*[ ]内は発音記号です。

第1字第2字第3字第4字第5字第6字第7字第8字第9字
A

[ ɑ ]
後方のア

B

[ be ]
日本語のエ
C

[ se ]
日本語のエ
D

[ de ]
日本語のエ
E

[ ə ]
短いウ

F
エフ
[ ɛf ]
開いたエ
G
ジェ
[ ʒe ]
日本語のエ
H
アシュ
[ aʃ ]
日本語のア
I

[ i ]
日本語のイ
第10字第11字第12字第13字第14字第15字第16字第17字第18字
J
ジィ
[ ʒi ]
日本語のイ
K

[ kɑ ]
後方のア
L
エル
[ ɛl ]
開いたエ
M
エム
[ ɛm ]
開いたエ
N
エヌ
[ ɛn ]
開いたエ
O

[ o/ɔ ]
日本語のオ/
開いたオ
P

[ pe ]
日本語のエ
Q
キュ
[ ky ]
日本語のユ
R

[ ɛr ]
開いたエ
第19字第20字第21字第22字第23字第24字第25字第26字
S
エス
[ ɛs ]
開いたエ
T

[ te ]
日本語のエ
U

[ y ]
日本語のユ
V
ヴェ
[ ve ]
日本語のエ
W
ドゥブルヴェ
[ dubləve ]
短いウ
日本語のエ
X
イクス
[ iks ]
日本語のイ
Y
イグれック
[ igrɛk ]
日本語のイ
開いたエ
Z
ゼッド
[ zɛd ]
開いたエ
フランス語のアルファベットの読み方と発音記号

表を見て気づくのは、エの母音を持つアルファベが非常に多いこと。日本語のエ(閉じたエ)の音が8個と、フランス語の開いたエの音が8個の合計16個にエの母音が使用されていることがわかります。

その他は、日本語のアの音がHに1つ。日本語のイの音が4つ。フランス語の短いウの音が2つ。フランス語の後方のアの音がKに1つ使われています。

フランス語のアルファベット(字母)の考察をまとめると、以下のようなことが見えてくると思います。

フランス語のアルファベまとめ
  • 始まりの「ア」の音が、日本語発音にはない[ ɑ ]後方のアの音
  • アルファベットの6割が「エ」の音の響きを持つ
  • アルファベットの頭音のエは開いたエとなり、子音の後の末音のエは閉じている(日本語のエ

ここでは、フランス語の音声の基盤となるアルファベ(字母)を見てきましたが、言語の原点となる「ア」の音が異なること、エの響きが多いことなど、フランス語の音声の傾向や全体のトーンのイメージがつかめたら幸いです。

*それぞれのアルファベの意味については、こちらの記事をご覧ください。

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