太陽系のそれぞれの天体は、ギリシャ神話(ローマ神話)の登場人物たちと深く結びついています。誰が決めたか、古代文明から今日まで永英と引き継がれている星空のお伽話をお届けします。
占星術を使ってホロスコープを読む際には、天体から神話の登場人物のイメージが連想されると星読みの想像力を助けてくれるはずなので、ここにまとめておきたいと思います。
この記事では、西洋占星術でも使用される星空のフランス語をご紹介していきます。
太陽系10天体の記号を、フランス語で言うと
さて、フランス語で星空は、
ciel‿ étoilé(シエレトワレ)
となります。ciel は「空」、étoilé は「星の」を意味します。
この星空の中で、ここでは占星術で基本となる太陽系10天体の名前をフランス語で見ていきましょう。
*以下( )内はフランス語発音の仮名読みです。
パーソナルプラネット(個人意識の星)
☉ 太陽:Soleil(ソレーユ)
光と神託の神アポロ、黄金の竪琴を持つ芸術の守護神、人間に初めて医術を教えた医者、温かい心と冷静な頭脳を持つ、黄金の馬車に乗り天を駆ける万能の神、永遠の若さと美しい肉体を持つゼウスの息子、ギリシャ神話の Apollon(アポロン)
☽ 月:Lune(リューヌ)
狩猟と純潔の女神ダイアナ Diane(ディアーヌ)、アポロの双子の妹、銀の戦車で月夜を駆ける永遠の処女、ギリシャ神話の Artémis(アるテミス)
☿ 水星:Mercure(メるキューる)
伝令神マーキュリー、泥棒・商人・旅人の守護神、翼のついた帽子・靴・杖 カドゥケウスをシンボルに持つ神々の使者、ギリシャ神話の Hermès(エるメース)でゼウスの子
♀ 金星:Vénus(ヴェニュス)
愛と美の女神ヴィーナス、人も神も虜にしてしまう魔法の帯を持つ、愛欲と官能美に溢れる、ギリシャ神話の Aphrodite(アフろディット)
♂ 火星:Mars(マるス)
軍神マーズ、無類の戦闘好きで凶暴、ヴィーナスの情夫、ギリシャ神話の Arès(アれス)
ソーシャルプラネット(社会意識の星)
♃ 木星:Jupiter(ジュピテーる)
神々の最高神ジュピター、天空を支配し雷と稲妻を操る、天界随一のプレイボーイ、ギリシャ神話の Zeus(ズウス)でクロノスの息子
♄ 土星:Saturne(サテュるヌ)
農耕の神サタン、息子ゼウスに追放される前の世界の支配者、父親(ウラノス)殺しの大鎌をシンボルに持つ、ギリシャ神話の Cronos(クろノス)
トランスサタニアン(世代意識の星)
♅ 天王星:Uranus(ユらニュス)
天の神ウラノス、息子クロノス(土星)に追われる、ギリシャ神話の Ouranos(ウらノス)
♆ 海王星:Neptune(ネプテューヌ)
海神ネプチューン、三叉の鉾をシンボルに持つ、地下水・泉・川を所有し、海だけでなく地震をコントロールする、ギリシャ神話の Poséidon(ポゼイドン)でクロノスの子、ゼウスの兄
♇ 冥王星:Pluton(プリュトン)
冥府の神プルート、地下深くこの世とあの世を隔てる泥川の向こうに住む、番犬ケルベロスや冥界の裁判官を引き連れ最後の審判を行う、ギリシャ神話の Hadès(アデス)でクロノスの子
ギリシャ神話の神々のイメージと照らし合わせる
以下はギリシャ神話のオリュンポスの12神のイメージです。上述の10天体と過不足がありますが、天体記号と人物像を照らし合わせてイメージを連想してみてください。
上段左から、ポセイドン(海王星)、ゼウス(木星)、アデス(冥王星)の3兄弟です。中段はアポロ(太陽)、アレス(火星)、アフロディット(金星)の3人が太陽系の星です。下段はエルメス(水星)、アルテミス(月)の2人が太陽系の星となります。
サタンの愛称で馴染みのある父親殺しクロノス(土星)と、その父ウラノス(天王星)はオリュンポスの12神には含まれません。
ゼウス(木星)、クロノス(土星)、ウラノス(天王星)の三世代はそれぞれ息子に追われるという悲しい定めになっていましたが、ゼウスはこの因果を断ち切り天界を治めることに成功します。
確かに占星術では、木星と土星、土星と天王星は隣あっているのに相容れないエネルギーを持つように映るのも、神話のイメージと重ねられていて面白いと感じます。
また、冥王星(アデス)は、仏教に出てくる地獄の番人 閻魔大王にそっくりだと思いませんか?
一般に、冥王星のエネルギーには抗えないとか、常に私たちの行いを見張っているというイメージは閻魔大王だったのかと思うと納得できる気がします。
洋の東西あまたの神話はどこかで同じルーツに繋がっているようにも見え興味深いものです。
さて、太陽系10天体のイメージが湧きそうでしょうか?その他の天体についても自分なりのイメージを膨らませてみてください。
ギリシャ神話の登場人物が、天体イメージを連想するのに役立てば幸いです。
*黄道12星座のイメージとそのフランス語については、こちらの記事も併せてご覧ください。