フランス語学習を始めると最初につまづきそうになる 犬 =Chien と、猫 =Chat の壁。
フランス語は英語読みで行けそうと思った途端、フランス語の犬と猫が、英語と大きく異なることにショックを感じるかもしれません。
この記事では、フランス語の基本単語である犬と猫の発音の壁についてご紹介します。
フランス語には、英語にはない男性名詞「♂」や女性名詞「♀」が存在し、不定冠詞(un, une, des)や定冠詞(le, la, les)などもあり、ここでつまずくと挫けそうになってしまうので、ササッと飛び越えて行きましょう。
フランス語の犬と猫「Chien」と「Chat」の発音と考察
フランス語で犬と猫の発音は、通常仕様の冠詞「un」をつけて
- Un Chien(アンシアン)犬
- Un Chat(アンシャ)猫
*この Ch は、日本語で静かにしてっと言う時に使う「シーッ!」の音[ ʃ ]です。
となります。
猫のChat は、英語のCat にどこか似ているのですが、発音は「シャット」ではなく、「シャ」で止めます(笑)。そこで止めるかっ!とツッコミを入れたくなる方もいるかもしれません。
フランス語では単語の末尾の子音「t」を発音しないのです。最初、この辺りに納得がいかないのですが、語呂がシャッ と覚えやすいので問題なしとしましょう。
*フランス語の子音について、発音する、しないケースごとにまとめた以下の記事もご覧ください。
問題は、犬のChien です。
猫になんとなく似ているので「シャン」と読めそうですが、「シアン」です。ポイントは、犬も猫も起源は同じということで Ch「シーッ!」から始まること。
もし犬を忘れてしまったら、猫の「シャ」を思い出して、猫を「シャン」としてあげれば、犬の「シアン」が導き出せます(苦)。
ちなみに、犬と猫の祖先はミアキスというイタチのような動物だそう。森に残ったのが山猫に、森を出て行ったのが狼に、と。
猫のChat については、日本でも見かけたことがあるかもしれません。
例えば、
- Chat noir(シャヌワーる)喫茶店
- Langue de chat(ラングドゥシャ)猫の舌のような形のクッキー
*ルビ◯は[ ɑ̃ ]後方のアンの鼻母音です。
*母音・鼻母音の位置にについてはこちらの記事にてご確認ください。
一方、犬のChien は残念ながらほぼ見かけたことがありません。見かけた方はご一報ください。
このChien ですが、フランス語では、どことなく可哀想なイメージをまとっていて、
- C’est chien !(セシアン)それはひどい!
- Tu es chien !(テュエシアン)君は意地悪だ!
と、ややネガティブな意味合いに用いられることが間々あります。あまり聞きたくない言葉ですが、言われないように気をつけたいところです。
さて、犬と猫の壁、あなたは乗り越えられそうでしょうか?
フランス語は発音しない子音が多いので、初めはツッコミを入れながら楽しんでしまいましょう。
*単語末尾の子音を発音しない理由については、こちらの記事も併せてご覧ください。